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TDK TDK Electronics

CeraLink™コンデンサ

2012年11月6日

インバータの高速スイッチングに対応するCeraLink™コンデンサ

Photo: Dreamstime

革新的なコンデンサCeraLinkTM は従来のDCリンク回路の安定化およびフィルタリングに貢献するだけでなく、
高速IGBTモジュールの開発においても威力を発揮します。

電源機器やインバータなどで用いられるパワー半導体スイッチング素子は、MOSFET とIGBTの二つの技術に分類されています。MOSFETは30 kHzを超える比較的高いスイッチング周波数で作動させることができるのが特長ですが、IGBTと異なり、そのチップ面積は大きくなる傾向にあります。IGBT市場で高シェアを有するインフィニオン・テクノロジーズ社が開発したよる新世代のIGBTモジュールでは、100 kHzまでのスイッチング周波数で動作し、素子の配線損失やターンオフ損失もMOSFETと同程度の低い損失で押さえることが出来ます。高速スイッチングと優れたコストパフォーマンスを持つIGBT3テクノロジーを基に開発されたこの高速IGBTは複雑な製造過程を極力排除しつつ、スーパージャンクション構造を有するMOSFETよりもしばしばチップ面積をコンパクトにすることができます。


高速スイッチングシステムでは、ESR(等価直列抵抗)値やESL(等価直列インダクタンス)値を最小限に抑えた回路設計が必要とされ、受動部品であるインダクタや特にコンデンサには、高いスイッチング周波数への対応が求められます。これはより小型、軽量の受動部品の使用を可能にし、損失の低減、効率向上に貢献します。


このため高速スイッチングシステムでは高いスイッチング周波数対応と低ESL値と低ESR値、そしてコンパクトな設計を兼ね備えたコンデンサの開発が求められています。従来のコンデンサ技術では、これらすべてを満足するものは存在していませんでしたが、弊社の革新的な新製品CeraLinkは全く新しいアプローチでこれらの問題を解決します。この新世代コンデンサはセラミック積層構造を有し、リップル電流サプレッサやDCリンクコンデンサ、さらにスナバコンデンサとしても機能します。

新しいインバータ設計が可能に

この革新的なCeraLinkコンデンサは、オーストリア、ドイチュランツベルクにある弊社「Competence Center for Ceramic Components」で開発されました。この先進的な素子の基礎となる技術は、長年にわたるピエゾ(圧電)アクチュエータの量産を通して培われたもので、CeraLinkコンデンサはセラミックコンデンサの利点を保ちつつ、セラミックコンデンサが抱えるマイナス面の軽減を実現しています。


弊社が特許を取得した積層素子は特殊な銅の内部電極と反強誘導体のセラミック素材をベースとし、標準的なIGBTだけでなく、より高いスイッチング周波数領域を使用する新しい高速タイプIGBTでも高いパフォーマンスを発揮します。


もちろんこの新製品は、SJ(スーパージャンクション)MOSFETに対応する回路にも適合します。


この革新的なCeraLinkコンデンサは、体積あたりの高い静電容量と極めて低いESL値やESR値を両立しており、IGBTやMOSFETを用いたインバータの設計において、今後ますます求められる効率性、信頼性、そして省スペース対応に大きく貢献することが可能です。さらに、CeraLinkコンデンサは低背型のSMD設計も可能であり、スナバ用途で電源モジュールへの搭載などにも適しています。


CeraLinkコンデンサは、IGBT市場を牽引するインフィニオン・テクノロジーズ社との協力関係により、「EAZYオートモーティブシリーズ」やその他の関連する産業機器用途用IGBTに対し、最高のパフォーマンスおよびエネルギー効率を達成するよう常にコンデンサパラメータや特性が最適化されています (表1)。

表1:CeraLinkコンデンサの特性

絶縁抵抗

1 GΩ-10 GΩ(代表値)と高抵抗、 特に高温での低リーク電流を実現

ESL

4 nH以下の低インダクタンス

ESR

通常4 mΩ以下、低静電容量でも非常に低いため低損失を実現

動作温度

-40 °Cから+125 °C(短時間では最大+150 °C)で、SiCにも適合可能
設計上のメリット

銅内部電極

低損失かつ大電流に対応可能

内部バスバー

各種用途への対応可能

各種端子形態

はんだ付け対応および” Press-Fit”端子対応

コンパクトなケース設計

幅広い半導体モジュール用に最適化されたケースサイズ

堅牢な設計

産業用、自動車電装システム用のスナバおよび電源用途として設計

互換性

IGBT、MOSFETまたはSiCを用いたパワーモジュールにも組み込み可能な特殊タイプ

その他のメリット
迅速な立ち上がり時間と高スイッチング周波数に最適
DCバイアスに対し正の静電容量特性

冷却ファン等のアクティブな冷却対策の常時使用は不要

QRコードによる容易なトレーサビリティ

オンボードインバータの主要モデルである“Infineon EASYKIT DCDC”は、高電圧側の定格電圧が約400 V DCという既存のOEM仕様に基づいています。CeraLinkコンデンサは現時点で複数のモデルが使用可能で、その静電容量は、定格電圧500 V DCおよび1000 V DCにおいて、1 µFから20 µFまでカバーしています。図1に各種端子形状が示されています。SMDバージョン(LP-LおよびLP-JJ)は搭載スペースに制限がある半導体パワーモジュールに直接搭載できるように設計され、これらははんだ付け、接着が可能です。

図1: CeraLinkコンデンサ ラインナップ

端子

薄型(LP-L)

薄型(LP-J)

ディスクリート(SP)

[---Image_alt---] Faster_switching_in_inverters_Figure1
[---Image_alt---] Faster_switching_in_inverters_Figure2
[---Image_alt---] Faster_switching_in_inverters_Figure3
静電容量 [µF]

1

1

20

定格電圧[V DC]

500 / 700

500

500

寸法[mm]
(端子は除く)

10.84 x 7.85 x 4

7.14 x 7.85 x 4

33 x 22 x 11.5

2.7 kWの出力を備えるHV/LV DC-DCデモボードをインフィニオン・テクノロジーズ社と共同で開発しました。HEVバッテリに応じた200 V DCから400 V DCの高電圧入力レンジと、自動車電装系で一般的な8 V DCから16 V DCの低電圧出力レンジに対応しております。さらにデモボードは、最大でDC200Aの電流レンジもカバーしています。

インフィニオン・テクノロジーズ社EAZYシリーズに弊社の電子部品が多数採用
さまざまな回路形式のDC-DCコンバータが市場には出回っていますが、最も広く利用されているのは、MOSFETを用いたZVT(Zero-Voltage Transition)方式のフルブリッジ回路です。インフィニオン・テクノロジーズ社ではこれらの回路を再設計し、自社製の高速IGBTを用いたEAZYシリーズに適合させました(図2)。これらには、弊社の各種電子部品が多数採用されています(表2)。

図2:Infineon EASY 2.7 kWインバータ
[---Image_alt---] Faster_switching_in_inverters_Figure5

表2:インフィニオン・テクノロジーズ社の高速スイッチングIGBT向けの弊社の電子部品

部品ブランド

数量

500 V DC対応20 µFCeraLinkEPCOS1

アルミニウム電解コンデンサ

EPCOS3

MLCCs

TDK80

SMTパワーインダクタ

EPCOS7
PCEM T7921 電力チョーク(ピーク電流225 A、Electromobility Platform) EPCOS1
PTEM T6973パワートランス(Electromobility Platform)EPCOS1

GTEM T7509ゲート駆動トランス(Electromobility Platform)

EPCOS4

CTEM T7078電流検知トランス(Electromobility Platform)

EPCOS1


CeraLinkコンデンサは、体積あたりの高い静電容量、低いESL値とESR値をともに達成することでリーク電流の極小化を実現しており、高速IGBTモジュールやMOSFETモジュールのすべての要件を満たすことができます。また、最大10 kA/µsまでの大きな電流変化率(di/dt)も制御することが可能です。これらの高い電流変化率にもかかわらず、CeraLinkコンデンサならではの低いESL値により、生成されるピーク電圧(V=L・di/dt)は非常に低くなります。

寄生インダクタンスはコンデンサだけに由来するわけではなく、通常のシステム構成においても、浮遊インダクタンスが発生するということに注意が必要です。これには、IGBTモジュールの内部配線やコンデンサへのフィードラインなど、複数の理由が関係しています。CeraLinkコンデンサはそのコンパクトな構造により、フィードラインの浮遊インダクタンス値をコンデンサ本体の値とほぼ同じレベルまで、大幅に減少させることができます。同時に、IGBTモジュールへのコンパクトな接続によりモジュールの過電圧が減少し、スナバコンデンサをなくす事も可能となります。図3はIGBTをオフにしたときの電圧曲線を示しています。CeraLinkコンデンサと通常のコンデンサでは明らかな違いがあることがわかります。電圧の増大は最低限であり、IGBTの安全範囲内です。この場合では100 kHzのスイッチング周波数が使用されており、コンデンサのリプル電流周波数は200 kHzであることを意味しています。図4は周波数の関数としてのインピーダンスとESRを示しています。


図3:CeraLinkによる過電圧の減少
[---Image_alt---] Faster_switching_in_inverters_Figure6

CeraLinkコンデンサは通常のコンデンサと比べて寄生インダクタンスを低く保つことができ、スイッチングにともなうピーク電圧が低く抑えられます。



図4:周波数とインピーダンス、ESRの相関
[---Image_alt---] Faster_switching_in_inverters_Figure7

ESR値が非常に低いことにより、CeraLinkは過電圧を大幅に減少させます。このため一般的には、スナバコンデンサの追加は不要です。

通常、CeraLinkコンデンサの静電容量は純粋なDC-DC用途としては十分ですが、たとえばモータ駆動用としては低すぎる可能性があります。この場合は、大きな静電容量をもつアルミニウム電解コンデンサや、フィルムコンデンサを並列接続し、それらが低周波電流を伝えることで改善が可能です。このときCeraLinkコンデンサはスナバ素子などの高周波部品としても対応するよう設計されています。

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