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TDK TDK Electronics

DCリンク用パワーコンデンサ

2015年10月29日

コンパクトでフレキシブルな高性能インバータを実現するCeraLink

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Scienlab electronic systems社が新開発したトラクションインバータは、高電力密度かつ小型・軽量設計を特長としています。このため、幅広いニーズに柔軟に適応でき、とりわけ今後成長が見込まれるEV(電気自動車)分野での利用に最適です。この新インバータの実現には、DCリンク用コンデンサとして採用されたCeraLink™ コンデンサが大きく貢献しました。

エネルギー効率にすぐれ、排ガスを出さない無公害の駆動装置が、さまざまな種類の多数の車両に搭載されるにつれ、e-モビリティに向けてのトレンドが、市場を大きくリードするようになりました。

これらの車両には、乗用車以外にも、公共交通サービスとして活躍する小型のユーティリティビークル、建設・農業・工業分野で使われる電動フォークリフトなどの作業車両、工場のフロアを自動走行する電動車両なども含まれています。このため、これらの車両の駆動装置に対する小型・軽量・高性能化の要求は、ますます大きくなっています。

革新的な設計による小型インバータ

こうした要求に応えるべく、ドイツのボーフムに拠点を置き、パワーエレクトロニクスの設計を専門とするScienlab electronic systems社(以下、Scienlab社と略称)は、新たな小型インバータを開発しました。体積は2dm³(2000cc)、定格出力40kW、290~420V DCの動作電圧に対応できるもので、上述したような多様なアプリケーションに適用可能です。このインバータのハードウェアとソフトウェア構造は、きわめて広範囲の出力電流に対応でき、その結果、車両のダイナミックな動きを可能にします。

Scienlab社の新トラクションインバータは、制御回路、ドライバ、パワーエレクトロニクス回路、そして強固な筐体および配線という4つの主要機能ユニットで構成されています。

この新設計のインバータの成功の鍵となったのは、後述するようにDCリンク回路に革新的なCeraLinkコンデンサを採用したことにあります(図1)。また、それに加えて、完全制御の3相ブリッジ回路(B6C)方式のIGBTモジュールを特長としています。この方式のモジュール設計により、お客様が要求される電流やパワーに対して、きわめて拡張性の高い対応ができるようになりました。たとえば、よりハイパワーなIGBTモジュールを使ってドライバ基板への取り付けを最小化することが可能です。また、内蔵されたDCリンク回路基板の機能拡張も、CeraLinkコンデンサの数を増やすだけで簡単に実現できるようになっています。さらには、こうしたカスタマイズを行っても、制御回路については何の変更も必要ありません。また、車載用のアプリケーションではコントローラに常駐しているインバータのソフトウェアは、ツールチェーン(プログラム群)によって製作されたものです。こうした適応型の開発プロセスにより、ソフトウェア構造の大幅な変更を必要とせずにお客様独自のソフトウェアを取り込むことができます。

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図 1:

CeraLinkコンデンサが採用されたScienlab社のインバータのブロック図

合計36個のCeraLinkコンデンサがDCリンク用に並列接続されています。

インバータに求められる要件

Scienlab社によるe-モビリティに最適なインバータの新設計にあたっては、車載用として認定された電子部品を使用しなければなりませんでした。また、できるだけ小型・軽量にするために、非常に高い電力密度を実現することが求められました。

これらの要件を満たすため、Scienlab社は、表面積の小さなパワー半導体チップを使った水冷式のIGBTを採用しました。また、コントローラとドライバの回路基板の構成も、省スペース化を図るために最適化されました。しかしScienlab社がさらに注目したのは、インバータの中で最も大きな部位の1つとなっているDCリンク回路の体積と性能でした。

CeraLinkが実現したコンパクトでフレキシブルなDCリンク回路

そこでScienlab社は、DCリンク用として、最大5.5µF/cm³の高い静電容量密度を特長とするTDKのCeraLinkコンデンサを選択しました(図2)。「他のコンデンサと比べ、CeraLinkは静電容量密度とリップル電流の吸収能力のコンビネーションがベストです」と説明するのは、Scienlab社マネージングディレクターのChristoph Doerlemann博士です。このコンビネーションこそが、DCリンクのいかなる性能も犠牲にすることなく、きわめてコンパクトな設計を可能にしているのです。「当社のトラクションインバータが他社のインバータと差別化できているのも、このベストコンビネーションのおかげです」とDoerlemann博士も語っています。

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図 2:

体積あたりのコンデンサの静電容量密度とリップル電流の吸収能力

CeraLinkは、高い静電容量密度と高いリップル電流吸収能力が要求される回路において最適なコンデンサです。

CeraLinkはPLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)というセラミックス素材をベースとする新タイプのコンデンサです。従来のセラミックコンデンサとは対照的に、CeraLinkの静電容量は印加電圧がアプリケーション電圧となったときに最大となり、さらにリップル電圧の割合に比例して増加します。コンパクトの形状も特長で、CeraLinkコンデンサを採用することで(従来のコンデンサを使用した設計に比べて)DCリンク回路の体積を約4分の3に縮小できました。

CeraLinkコンデンサの動作温度は、-40~+125℃として設計されていますが、短時間であれば+150℃の温度にも耐えられます。また、ディスクリートのコンデンサを多数使用することは、コンポーネントのレイアウトという点でより柔軟になるだけでなく、コンデンサの表面積を最大にし、それによって放熱も最大にします。この放熱効果により、周囲温度が高い場合でもパッシブクーリング技術を利用することが可能になります。

ESLとESRの低減

Scienlab社が新インバータ設計の際に掲げたさらなる目標は、DCリンク回路のESL(等価直列インダクタンス)とESR(等価直列抵抗)を低減することでした。「CeraLinkのESLがわずか2.5nHと、きわめて小さいおかげで、IGBTのスイッチングの際に発生するオーバーシュートとリンギングを劇的に減らすことができました。その結果、インバータのシステム性能は大幅に改善されました」とDoerlemann博士は語っています。また、Scienlab社では、複数のコンデンサをきわめて低いインピーダンスで並列接続するために、特別に開発した多層PCBを採用しました。その結果、ESRの値は、1MHzでわずか3mΩとなり、DCリンク回路の電力損失と発熱を大幅に抑制することに貢献しました。実際、ESRは周波数と温度が上昇するとともに低下し、最高150℃までの高温において高いスイッチング周波数での効率的な動作を可能にしています。

表:TDK CeraLink™コンデンサ のポートフォリオ

[---Image_alt---] Product1_CeraLink-LP-L
図 3:

SMD薄型シリーズ(LP)

[---Image_alt---] Product2_CeraLink-LP-J
図 4:

SMDシリーズ(SMD)

[---Image_alt---] Product3_CeraLink-SP
図 5:

ソルダピンシリーズ(SP)

シリーズ定格容量/定格電圧

SMD薄型シリーズ(LP)

1 μF / 500 V0.5 μF / 700 V

SMDシリーズ(SMD)

5 μF / 500 V

ソルダピンシリーズ(SP)

20 μF / 500 V
設計対象としたIGBTの定格電圧
650 V / 705 V900 V