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TDK TDK Electronics

スマートフォンの高周波ノイズ抑制に最適なチップビーズ

2014年5月6日

チップ部品による効果的なEMCソリューション

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スマートフォンは、マルチバンド化への対応とともに、これまでにない高周波帯域(最高で数GHz)が利用されるようになっています。TDKが提供している積層チップビーズMMZシリーズは、簡単で効果的なEMC対策部品。回路に直列に挿入するだけで、広い周波数範囲にわたって効果的なノイズ抑制が可能になります。

スマートフォンやタブレット端末のEMC対策は、設計技術者にとってやりがいのある仕事です。特にスマートフォンは、2G、3G、および4Gサービスに対応したアンテナや通信回路をコンパクトな構造に詰め込むだけでなく、無線LAN、Bluetooth、GPS接続、カメラ、動画、高解像度ディスプレイなど、追加機能の数も増えています。これは、EMC対策の観点から考えると、より高周波の信号が使用されていることを意味します。これらの高周波信号はGHz帯域まで伸び、高調波を発生します。その結果、EMC環境は電磁干渉(EMI)や電磁ノイズのレベルが高くなり、一層複雑になります。このため、GHz帯域のノイズ抑制が非常に重要な課題になっています。

また、複数の送受信アンテナが近接して搭載されているので、送受信信号どうしの干渉がスマートフォンの性能に影響を及ぼすおそれがあります。低いノイズレベルでも、アンテナへの入力電力が増大することで、受信感度が低下する可能性があります。通常、このような問題は信号強度の高い場所では発生しませんが、受信信号の微弱な場所では受信が不可能になる場合があります。

また、マルチバンド化に対応した周波数帯域の数の増加も、スマートフォン特有の設計課題を発生させています。周波数帯域ごとにノイズ抑制が必要になるため、EMC対策部品の数も増え、モバイル端末に求められる小型化・薄型化に対応することが困難になるからです。必要な部品の点数とその空間を削減するために、スマートフォンの設計者は、広い周波数範囲に対応でき、かつきわめてコンパクトなEMC対策部品を探し求めています。

TDKでは、こうした次世代モバイル機器のEMC対策に関する要件を満たすために、ギガスパイラ®ビーズの製品ラインナップを以下の3タイプに拡張しました。

  • MMZ-1005V:GHz帯域で世界最高クラスのインピーダンスを提供します。
  • MMZ-0603E:既存のMMZ-1005Eを小型化したものです。
  • MPZ-1005E:低Rdc(直流抵抗)、大電流対応、および高インピーダンスを特長とします。

これらのギガスパイラビーズは、広い周波数範囲に対応するので、複数の周波数帯域に対する効果的なノイズ対策を1つのチップ部品で実現することができます。

チップビーズによるノイズ抑制の基本原理

チップビーズは、ノイズの放射源になりやすい伝送線路に直列に配置することによりノイズ抑制を実現する素子です。チップビーズは利便性が非常に高いため、多種多様な機器で広く利用されています。

チップビーズの主要特性であるインピーダンス(Z)は、リアクタンス(X)とレジスタンス(R)との合成抵抗です。低い周波数範囲では、リアクタンス成分が優勢で、ノイズを反射するインダクタとして機能します。また、周波数が高くなると、レジスタンス成分が増加し、ノイズを熱に変換して吸収する抵抗として機能するようになります。チップビーズの一般的な周波数特性を図1に示します。

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図 1:

チップビーズの一般的なインピーダンス-周波数特性

誘導性成分のリアクタンスが0まで低下した周波数となったときに、減衰の最大値に達します。TDKのギガスパイラビーズは広い周波数範囲に対してノイズを抑制することができます。

積層工法でコイルを長手方向に形成きたギガスパイラ構造

ギガスパイラビーズは、TDK独自の積層工法とフェライト技術を利用して、より高いインピーダンスを実現しました。図2は、標準的なチップビーズと新しいのギガスパイラビーズの内部構造を示しています。標準的なチップビーズでは、内部導体のコイル成分(L)と、内部導体と外部電極との間の浮遊容量(C)により自己共振(LC共振)が発生し、自己共振周波数(SRF)よりも高い周波数範囲ではインピーダンスが低下します。

ギガスパイラビーズのコイルは製品の長手方向に形成しているので、端子平面に対しては垂直になります。このため、浮遊容量が低下して、自己共振周波数はより高周波領域へとシフトします。

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図 2:

内部構造と自己共振周波数(SRF)の関係

標準的なチップビーズでは、コイルの巻き上げ方向は端子電極の平面と平行になります(左側)。その結果、内部導体と端子電極の間で浮遊容量が発生します。一方、TDKのギガスパイラビーズの巻き上げ方向は垂直になります(右側)。これにより、浮遊容量は大幅に低下し、自己共振周波数(SRF)は高くなります。

また、長手方向に巻き上げることで、コイルの巻数を増加させることができるため、標準的なチップビーズよりも高いインピーダンスを実現することができます(図3)。これにより、高い周波数範囲までインピーダンスが伸び、標準的なチップビーズでは除去できない高周波数帯域のノイズ成分も除去することできます。したがって、スマートフォンなど、多様な周波数帯域を利用するモバイル機器では、ギガスパイラビーズがきわめて有効なEMC対策部品になります。EMIレベルの測定結果からも、ギガスパイラビーズのすぐれたノイズ抑制効果が確認されています(図4)。

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図 3:

標準的なチップビーズとギガスパイラビーズのインピーダンス-周波数特性の比較

TDKギガスパイラビーズでは、浮遊容量が低下するため、標準的なビーズでは抑制できない高い周波数領域のノイズも抑制することができます。

TDKギガスパイラビーズと標準的なチップビーズのノイズ抑制の比較

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図 4:

TDKのギガスパイラビーズは、その特別なコイル設計により、標準的なチップビーズとくらべて、きわめて広い周波数帯域にわたって高いインピーダンスをもつのが特長です。

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図 5:

このため、ギガスパイラビーズでは、標準的なチップビーズよりもより効果的なノイズ抑制が可能になります。

TDKのギガスパイラビーズの豊富な製品ラインアップ

TDKでは、4タイプのギガスパイラビーズをラインアップして提供しています(下表を参照)。

まずMMZ-Vシリーズですが、これはGHz帯域で世界最高クラスのインピーダンスを特長とします。とりわけ、このタイプは0.7 GHz~3 GHzの帯域できわめて高いインピーダンスを提供することにより、既存のMMZ-Eシリーズでは除去されないノイズを抑制することができます。このため、MMZ-Vシリーズは、LTEや無線LANなど、複数のGHz帯域で検出される干渉やその他の高周波ノイズを適切に抑制します。

MMZ1005-Eタイプは、GHzの帯域に及ぶ高い自己共振周波数を特長とします。これは標準的なチップビーズよりも、はるかに高い自己共振周波数です。これにより、1素子で広い周波数範囲に対する効果的なノイズ制御が可能になります。また、インピーダンスはMMZ-Vシリーズと同様にGHzの帯域に及び、標準的なチップビーズとくらべて高くなっているのも特長です。このシリーズは、さまざまな周波数特性をもつ4材質14タイプを提供しています。高速信号に対する一般的なノイズ抑制に適しています。

MMZ0603-Eタイプは、MMZ1005-Eタイプを0603サイズ(0.6×0.3×0.3 mm、EIA0201サイズ)に小型化したものです。小型ながらMMZ1005-Eタイプと同等のインピーダンス値を提供し、MMZ1005-Eタイプとくらべて容積は78 %、実装面積は64 %削減します。内部構造が最適化されていて、MMZ1005-Eタイプのほうが大きいにも関わらず、それよりも高い自己共振周波数を実現しています。このシリーズは、さまざまな周波数特性をもつ3材質8タイプを提供しています。高速信号に対する一般的なノイズ抑制に適しています。

4番目のタイプのギガスパイラチップビーズはMPZ-Eシリーズです。このシリーズは、MMZ-EシリーズにくらべてRdc(直流抵抗)が低く、大電流に対応するので、電源ラインに使用したり信号ラインの消費電力を削減したりするのに最適です。MPZ-Eシリーズのインピーダンスは、標準的なMPZタイプよりも高くなっています。このシリーズにはSタイプとFタイプがあります。Sタイプでは、高いインピーダンスがGHz帯域までの広い周波数範囲にわたって伸びています。また、Fタイプでは、GHz帯域でインピーダンスが急増します。

表:TDKギガスパイラビーズの主な特性

シリーズ

インピーダンス
@ 100 MHz [Ω]*
インピーダンス
@ 1 GHz [Ω]**
インピーダンス
@ 2.5 GHz [Ω]**
直流抵抗[Ω]定格電流[mA]
MMZ-V75~180500~12001400~30000.9~1.6150~250
MMZ1005-E47~2200800~3000--0.65~2.2150~300
MMZ0603-E 600~10001000~1800--1.6~2.6125~150

MPZ-E

33~330200~600--0.22~0.45700~1500

*  ±25 %
** ±40 %