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TDK TDK Electronics

EMC対策製品

2015年3月20日

対地漏洩電流を低減してEMC性能を大幅に改善

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可変モータドライブシステムなどでは、システムの個々の機器からの対地漏洩電流が発生し、それらが累積することにより、漏電遮断器がトリップ(自動遮断)する可能性があります。LeaXieldTMは、こうした対地漏洩電流を低減するだけでなく、システムのEMC性能も大幅に改善する新たなソリューションです。

三相交流の商用電源を用いる可変モータドライブシステムは、産業機器やビル管理など、さまざまな用途で使われています。システムはモータやインバータほか、EMCフィルタなどで構成されています。こうしたシステムを検討するときにしばしば見逃されてしまうのが、構成機器と同様に重要なシールドケーブルです。インバータなどの構成機器とモータをつなぐもので、長さが200mを超えることも珍しくありません。こうしたモータドライブシステムは、安全面から漏電遮断器を介して商用電源につなげられています。

可変モータドライブシステムの重大な問題は、ケーブルや機器と大地間の静電結合により、システムの稼動中に対地漏洩電流が生成されるということです。対地漏洩電流はシステムのトポロジー(接続形態)だけでなく、スイッチングのスルーレート(立ち上がり・立ち下がり特性)、周波数、振幅にも依存します。好ましくない状況では、対地漏洩電流が累積して、漏電遮断器のトリップ閾値を超えてしまうことがあります(図1参照)。

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図 1:

漏電遮断器のトリップ
可変モータドライブシステムでは、ケーブルや個々の機器からの対地漏洩電流が累積して大きくなり、漏電遮断器をトリップ(自動遮断)してしまうというやっかいな問題が発生します。モータまでのケーブルが非常に長い場合に、このような状況がしばしば発生します。

たとえば標準的な漏電遮断器の場合、100Hzまでの周波数の範囲ではトリップ閾値は30mA、1000Hzを超える周波数では300mAですが、モータまでのケーブルが特に長い場合では、300mAの閾値を超えてしまうことがあります(図2参照)。漏電遮断器のトリップによりシステムの予期せぬシャットダウンが起こると、工場では生産の中断を余儀なくされ、高い代償を払うことになりかねません。

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図 2:

対地漏洩電流の周波数スペクトラムと振幅
モータまでのケーブルが長い場合、1000Hzを超える周波数で、大きな対地漏洩電流が発生して漏電遮断器がトリップする可能性があります。

現在のところ、過度な対地漏洩電流による漏電遮断器のトリップを防ぐ方法として、以下の2つが考えられます。

  • 大型EMCフィルタの採用
    大型のフィルタを使うと、特に高周波の漏洩電流を低減できます(しばしば過剰なまでに大型のものが使われています)。たとえば、より高性能の入力フィルタに出力フィルタを組み合わせて使うこともできますが、かなり高額になります。また、大型のフィルタを追加導入する場合、スペース確保という問題も生じます。
  • より高いトリップ閾値の漏電遮断器の採用
    これにはかなりのリスクが伴います。なぜなら、対地漏洩電流が上がると最大許容接触電圧のAC 50Vを超えてしまう可能性があるからです。システムの構成機器を損傷するリスクもあります。

したがって、どちらの方法も完璧とはいえず、LeaXieldを使うほうが格段にすぐれたソリューションになります。

LeaXieldは、対地漏洩電流の低減におけるベンチマークを打ち立てました。

LeaXieldは対地漏洩電流の低減のために開発されたモジュールで、漏電遮断器とEMC入力フィルタとの間に接続します。

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図 3:

LeaXieldの回路図
増幅器によって補償電流が三相の各相に送られます。補償電流の対地漏洩電流に対する位相差は180°なので、対地漏洩電流はほぼ完全に打ち消されます。増幅器の電源ユニットは、三相交流により直接稼動するので、新たに電源を設ける必要はありません。

図3にLeaXieldの機能の原理を示します。電流検出用のカレントトランスは負荷側、つまりEMCフィルタに接続する部分に取り付けます。カレントトランスは三相の電流を検出し、各相間で共通する差異に基づいてコモンモード電流である対地漏洩電流を判別します。この情報は増幅器に配信され、コンデンサのネットワークを介して、補償電流が増幅器から三相に送られます。この補償電流の対地漏洩電流に対する位相差は180°なので、ほぼ完全に打ち消されます。これがLeaXieldにより接地漏洩電流が低減される仕組みです(図4参照)。LeaXieldは、1000mAまでの対地漏洩電流を補償できます。

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図 4:

LeaXieldによる接地漏洩電流の低減
改善例:高い対地漏洩電流(左図)が、LeaXieldの使用により、ほとんど打ち消されるため(右図)、漏電遮断器のトリップが回避されます。

EMC性能が顕著に改善

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LeaXieldによるコモンモード電流の低減には、もうひとつのプラス効果があります。それは、一般的に150kHz~30MHzの周波数範囲で維持しなければならない伝導ノイズの抑制が、500kHz以下の周波数範囲で大幅に改善されることです。LeaXieldを追加すれば、通常の試験条件下で可変モータドライブシステムのEMC性能を、EN 61800-3(EMC要求事項および試験方法)のカテゴリC2からC1に引き上げることができます。

LeaXieldは150kHzを下回る周波数範囲で特に効果を発揮し、4kHzで最大30dB、10kHzで最大40dB、150kHzで最大15dBの減衰特性を達成しています。この特性は、新たなEMCフィルタを導入するときにとりわけ有用です。LeaXieldはノイズ抑制効果が高いので、より経済的なEMCフィルタを採用することも可能になるからです。

LeaXieldは258mm×80mm×100mmというコンパクトサイズなので、既存のEMCフィルタにも容易に取り付けられ、追加導入に好適です。

LeaXieldの主要データ
ケーブル間の電圧最大AC 520 V
最大負荷電流150 A
周波数50/60 Hz
最大対地漏洩電流補償1000 mA
最大コモンモード減衰量40 dB (10 kHz)
寸法258 mm x 80 mm x 100 mm